「高齢者の車の違反で一番多い」と言われる危険な右折とは！？「逆走行につながる」「違反している自覚がない」

なぞなぞのような文言と共に、危険な右折をしている車の動画を「遠鉄浜岡自動車学校（@entetsu_hamaoka）」（静岡県御前崎市）がX（ツイッター）へ投稿し、注目が集まりました。

「ショートカット右折（小回り右折）とは、交差点で右折をする際、早めにハンドルを切ってしまい、交差点の中央寄りを通ることなく最短距離で曲がる行為を指します。『右折先の対向車との衝突』『横断歩行者を見落とし』など、交通事故につながる危険性が高い右折なので、やめてもらいたいという気持ちからポストしました」とは、遠鉄浜岡自動車学校で教鞭を振るう村岡亮典さん。

かつて筆者の父親も、交差点で信号待ちの際、青になり車を発進させたところ、赤に変わったにもかかわらず強引にショートカット右折をしてセンターラインを越えてきたドライバーと接触したことがあります。その際、追突してきたドライバーは「私は正しく右折した！」を連呼し、困り果てていたところ、「あの人赤なのに無理やり最短距離で右折していました」と、神のような目撃者が名乗り出てくれて事なきを得た経験があります。

半数以上のドライバーが、ショートカット右折をしているという調査結果もあるほど、“してしまっている”人が多いとも言われる「ショートカット右折」。その危険性について、村岡さんにお話を伺いました。

正しい右折方法は「道路中央寄り」から「徐行」で
ーー遠鉄浜岡自動車学校は、X（ツイッター）で様々な啓発動画を投稿されていますね。ショートカット右折も、よくあることで怖いです

「教習中や自身が運転中に危険と感じたことを投稿したのが始まりです。ショートカット右折は、右折した先でセンターラインをオーバーする逆走にも繋がり、事故の発生率が高まってしまいます。また、高齢者ドライバーの違反の中で一番多いのが、このショートカット右折と言われています」

ーーまさに私の父親はその犠牲者でした。高齢者ドライバーの方には気をつけてもらいたいです

「特に高齢者に多いのですが、実はドライバーの半数以上の方たちがやっているという調査結果もあったり……。主に急いでいる人がショートカット右折を行いがちで、右折する際の減速（本来は徐行するのが正しい右折方法なのですが）が不十分なため起こります。癖になっている場合もありますね。また、急いでいる人は周囲をしっかり注視していない人が多いので、さらに危険度は高まります」

ーー確かに！知らぬ間に癖になっている人もいそうです。正しい右折の方法を教えてもらえますか？

「右折する時は、あらかじめできるだけ道路の中央に寄り、交差点の中心のすぐ内側を（矢印などの標示で、通行方向が指定されている時は、それに従って）徐行しながら通行してください。交差点内の状況、対向車の有無、右折する先に車両や歩行者がいないかなどをよく見て、進入速度も調整してください」

多くの危険を伴い、交通事故にもつながってしまうショートカット右折。「さまざまな要因はあると思いますが、『このタイミングで曲がってしまいたい』『後続車を待たせたくない』『急いでいる』などの『心の焦り』、運転への『過信』が大きいのではないでしょうか。右折はちょっとした油断や思い込みから安全確認を怠ると重大な事故につながります。この投稿を見て多くの人に、右折の危険性を知っていただき、さらに気を引き締めて安全運転を心掛けてほしいです」と村岡さん。